薬剤師が解説|オメガ3脂肪酸
「血管・脳・炎症バランス」を支える、現代人に不足しやすい脂質
~食事とサプリの上手な付き合い方~
「脂は控えたほうがいい」。そう思っている方は多いかもしれません。
でも薬剤師の立場から見ると、どんな脂を摂っているか のほうが大切です。
その代表が オメガ3脂肪酸 です。
オメガ3脂肪酸って、どんなもの?
オメガ3脂肪酸は、体に必要な「必須脂肪酸」の一種で、主に次の3つが知られています。
- EPA・DHA:青魚(サバ・イワシなど)に多い
- ALA(α-リノレン酸):えごま油・亜麻仁油などに多い
体の中で作ることができないため、食事やサプリから補う必要があります。
血管や血流の「バランス」を整える脂
オメガ3脂肪酸は、体の中で起こる「炎症」や「血流」のバランスに関わります。
- 血液がドロドロしやすい生活
- 脂っこい食事が多い
- 運動不足
といった生活習慣の方では、意識して摂りたい脂質のひとつです。
※病気を治すという意味ではなく、体の中のバランスを支える役割として知られています。
脳や神経の材料にもなります
特に DHA は、脳や神経の細胞膜の材料として使われています。
- 集中力
- もの忘れが気になる
- 仕事や勉強で頭を使う時間が長い
といった方では、食事内容を見直すきっかけになることがあります。
現代の食生活では不足しやすい理由
現代の食事は、
- 肉類
- 揚げ物
- 加工食品
に多く含まれる オメガ6脂肪酸 が多くなりがちです。
オメガ6も必要な脂ですが、オメガ3との比率が偏ると、体のバランスが崩れやすいと考えられています。
薬剤師としては、「オメガ3を増やす」というより、脂質全体のバランスを整える ことをおすすめしています。
摂りすぎた場合の注意点
オメガ3脂肪酸は体に必要な脂質ですが、過剰に摂ると次のような点に注意が必要です。
- 胃もたれ
- 下痢
- まれに出血しやすくなる傾向
特に、一度に大量に摂るより、毎日少量を続ける 方が向いています。
飲み合わせで気をつけたいこと
血液をサラサラにするお薬(抗凝固薬・抗血小板薬)を使っている方
影響が重なる可能性があります。必ず医師・薬剤師に相談してください。
手術や抜歯の予定がある方は、事前に医療者へ伝えておくと安心です。
飲むタイミングのおすすめ
オメガ3脂肪酸は 脂質 のため、
- 食事と一緒
- 特に油を含む食事の後
が、胃への負担も少なく、吸収面でも取り入れやすいです。
空腹時に飲むと、胃もたれを感じる方もいます。
薬剤師からのまとめ
- オメガ3脂肪酸は体に必要な「良質な脂」
- 血管・脳・炎症のバランスに関わる
- 現代の食生活では不足しやすい
- 摂りすぎ・飲み合わせには注意
- 食事と一緒に、無理なく続ける
サプリメントは、食事を置き換えるものではありません。
「魚、最近食べているかな?」そんな振り返りから、オメガ3を考えてみてください。