薬剤師が解説|コラーゲン・GABA

薬剤師が解説|コラーゲン・GABA

「美容」だけでなく、休息とコンディションを支える栄養の組み合わせ
~眠り・緊張・年齢変化との向き合い方~

コラーゲンというと「美容」、GABAというと「リラックス」。そんなイメージをお持ちの方が多いと思います。

薬剤師の立場から見ると、この2つの成分は、年齢や生活リズムの変化によって乱れやすい体の回復環境を支える素材 として考えられています。

コラーゲンは「体をつくる材料のひとつ」

コラーゲンは、皮膚・関節・血管・骨などに存在する たんぱく質の一種 です。

体の中では、

  • 肌のハリや弾力
  • 関節や腱のしなやかさ
  • 組織をつなぐクッションの役割

といった、構造の土台として使われています。

年齢とともに体内で作られる量は減りやすく、食事量の減少によって材料そのものが不足しがちになる方もいます。

GABAは「緊張をゆるめる」方向に働く成分

GABA(γ-アミノ酪酸)は、体内にもともと存在するアミノ酸の一種です。

  • 神経が興奮しすぎないよう調整する
  • 心身を落ち着いた状態に保つ方向に関わる

といった役割が知られています。

忙しい生活やストレスが続くと、「気持ちが休まらない」「寝つきが悪い」と感じる背景に、緊張が抜けにくい状態が関係していることもあります。

この2つを一緒に考える理由

薬剤師として見ると、コラーゲンとGABAは、

  • 体を修復・維持する材料(コラーゲン)
  • 休息やリラックスの環境を整える要素(GABA)

という、回復に必要な「素材」と「環境」の組み合わせと考えられます。

そのため、

  • 年齢による変化が気になる
  • 眠っても疲れが残る
  • 忙しくて緊張が抜けにくい

といった方が、生活習慣の見直しとあわせて取り入れるケースがあります。

摂りすぎた場合の注意点

食品に近い成分ですが、体質によっては次のような反応が出ることがあります。

コラーゲン

  • 胃のもたれ
  • お腹の張り

GABA

  • 眠気
  • だるさ

いずれも、多ければ良いというものではありません。体調を見ながら量を調整することが大切です。

飲み合わせで気をつけたいこと

  • 睡眠薬や抗不安薬を使用中の方
  • 血圧に関わる治療中の方

GABAを含む食品を取り入れる前に、医師・薬剤師に相談してください。

食品であっても、作用の方向が重なる可能性があります。

飲むタイミングの考え方

薬剤師としてよくお伝えするのは、

  • 就寝前(リラックスを意識する時間帯)
  • 空腹すぎないタイミング

特にGABAは、「休む準備」に入る時間帯に合わせると、生活リズムと合わせやすい方が多いです。

薬剤師からのまとめ

  • コラーゲンは体の材料としてのたんぱく質
  • GABAは緊張を和らげる方向に関わる成分
  • 回復や休息を意識する方に向く組み合わせ
  • 摂りすぎ・併用薬には注意
  • 生活習慣とセットで考えることが大切

コラーゲンやGABAは、何かを治すためのものではなく、日々のコンディションを整えるためのサポート役です。
「ちゃんと休めているかな?」そんな振り返りと一緒に、無理のない形で取り入れてみてください。

新関 一成

新関 一成株式会社ホッペオンライン薬局システム代表取締役・薬剤師

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