超高齢社会に活躍できるスーパーフード
スーパーフードの活用目的は次のように幅広いものです
- 妊産婦向けの鉄補給、骨粗鬆症予防
- 医療/施設/在宅医療分野への栄養補助食品
- 加齢または病気の影響による低栄養の改善
- 病院給食/高齢者施設給食への活用
- 外食店への活用(ヘルシーメニューの需要増)
- 生活習慣病の食事療法
- 高齢者用介護食・宅配弁当(やわらかさ・嚥下機能に配慮、少量で栄養素が摂取できる)
- 健康増進、エイジングケア、ダイエット
超高齢社会である我が国では、高齢者の低栄養が問題になっています。
在宅療養する高齢者990人を対象に行った調査では、
| 「低栄養」 | 37.4% |
| 「低栄養のおそれあり」 | 35.2% |
| 「低栄養」で要介護度5の高齢者 | 50.9% |
| 「栄養状態良好」の高齢者で要介護度5の人 | 9.3% |
となり、栄養状態と要介護度の間には何らかの関係がある1)ということが明らかです。
また、東京大学高齢社会総合研究機構が約1,800人の高齢者を対象に食事調査を行ったところ、3度の食事を1人でとる「孤食」の人は、1日1回でも誰かと食事する人と比べ、低栄養になったり歩行速度が遅くなったりする割合も高いことが判明しました。
加齢によって、心身の活力が徐々に低下した状態を「フレイル」といいます。
フレイルの3要因はサルコペニア(筋肉量の低下、筋力の低下、身体能力の低下)、ロコモティブシンドロームなどの身体的要素、孤独、引きこもりなどの社会的要素、うつ、認知機能の低下という精神的要素です。筋肉の低下で歩くのが辛い→外出ができなくて孤独で引きこもる→うつ状態になったり認知機能が落ち→さらに筋肉低下という繰り返しを“フレイルサイクル”といい、どこかで断ち切らないといけません。図3)

フレイル予防に必要なことは運動と食事です。筋肉低下を防ぎ、筋肉を増やすためには
有酸素運動が重要です。高齢者に最も取り入れやすいのはウォーキングで、1日5,000~6,000歩を目安に歩いて頂きます。無酸素運動である筋肉トレーニングも、ゴムのバンドなどを用いて行い、筋肉量の増加を目指したいものです。
食事は、高齢者では食後に誘導される骨格筋におけるタンパク質合成が低下します。ですから高齢者では成人以上にアミノ酸の血中濃度を上げる必要があり、十分なタンパク質を摂取する必要があります。 フレイルの予防には、体重1kg×1.3g程度のタンパク質を毎日食事から取ることが望ましいのです。
現在、高齢者だけのご家庭、高齢者の独居も増えています。高齢になって、栄養を考えた献立や料理が難しくなりがちです。薬剤師が在宅訪問に行く際にそのようなご家庭を多く見かけないでしょうか?フレイルの進行を防ぐ手段の一つがスーパーフードの活用です。
特に藻の一種であり、「スーパーフードの王様」と言われる“スピルリナ”は高たんぱくで
乾燥重量100gに60gもタンパク質を含んでいます。もちろんスピルリナだけですべてのタンパク質を取るのは無謀ですが、食事に「ちょい足し」することで、栄養価がぐっと向上します。写真はスーパーフードを食事に足した調理例です。
是非お試しください!
