薬剤師が解説|コエンザイムQ10
「元気の土台」を支える、年齢とともに減りやすい成分
~疲れやすさ・体力・日常のコンディション管理の視点から~
「以前より疲れやすくなった気がする」「しっかり寝ても、回復した感じがしない」。
そんな声を聞いたとき、薬剤師としてよく話題にあがる成分のひとつが コエンザイムQ10(CoQ10) です。
コエンザイムQ10は「エネルギーを作る現場」に関わる成分
コエンザイムQ10は、体の中の ミトコンドリア という場所で働いています。
ミトコンドリアは、食事からとった栄養をエネルギーに変える「発電所」のような存在です。
コエンザイムQ10は、その発電所で エネルギーを作る流れを支える補助役 として働いています。
年齢とともに減りやすいのが特徴です
コエンザイムQ10は、もともと体の中で作られる成分ですが、
- 加齢
- 強いストレス
- 忙しい生活
- 睡眠不足
などの影響で、体内量が少しずつ減っていくことが知られています。
そのため、「年齢とともに疲れが抜けにくい」と感じる背景に、コエンザイムQ10の減少が関係している場合もあります。
体力や日常のコンディションとの関係
コエンザイムQ10は、特定の症状を治すものではありませんが、
- 日常のエネルギー感
- 体を動かすときの余力
- 忙しい毎日のコンディション維持
といった点を、土台から支える成分 として知られています。
薬剤師としては、「最近なんとなく元気が出にくい」という方に、生活習慣とあわせて見直してもらうことがあります。
抗酸化の働きも持っています
コエンザイムQ10には、体の中で発生する 活性酸素から守る働き もあります。
活性酸素は、ストレスや加齢、生活習慣の影響で増えやすく、体の負担につながることがあります。
その意味でも、コエンザイムQ10は 年齢を重ねた体をやさしく支える成分 と言えます。
摂りすぎた場合の注意点
コエンザイムQ10は比較的安全性の高い成分ですが、体質によっては次のようなことが起こる場合があります。
- 胃の不快感
- 食欲低下
- まれに下痢
「多ければ多いほど良い」というものではありません。
飲み合わせで気をつけたいこと
血液をサラサラにするお薬(ワルファリンなど)を使用中の方
コエンザイムQ10は、作用に影響する可能性が指摘されています。使用中の方は、必ず医師・薬剤師に相談してください。
飲むタイミングのおすすめ
コエンザイムQ10は 脂溶性成分 のため、
- 食事と一緒
- 特に油分を含む食事の後
が、吸収の面ではおすすめです。
朝・昼・夜のどれでも構いませんが、毎日続けやすい時間帯 を選ぶことが大切です。
薬剤師からのまとめ
- コエンザイムQ10はエネルギーづくりを支える成分
- 年齢や生活習慣で減りやすい
- 日常のコンディション維持の「土台」になる
- 脂溶性なので食事と一緒に
- 服用中の薬がある方は必ず相談を
サプリメントは、元気を無理やり出すものではなく、体が本来持っている力を支えるための補助役です。
「最近ちょっと疲れやすいな」そんなときに、生活習慣と一緒に見直してみてください。