薬剤師が解説
ビタミンD3
「骨のため」だけじゃない、今の時代に不足しやすいビタミン
免疫・筋力・体調管理の土台を支える栄養素
ビタミンDというと、「カルシウムの吸収を助ける」「骨に大事」というイメージが強いかもしれません。
実は薬剤師の立場から見ると、ビタミンD3は骨だけでなく、免疫や筋力、日々の体調管理にも関係する、現代人に不足しやすいビタミンです。
ビタミンD3は「体のスイッチ」を調整するビタミン
ビタミンD3は、体内でホルモンのように働く特徴があります。主な役割としては、
- カルシウムやリンの吸収を助ける
- 骨や歯の健康を支える
- 筋肉が正常に動く環境を整える
- 免疫細胞が適切に働く土台を支える
といった点が知られています。
実は、多くの人が不足しやすい栄養素です
ビタミンD3は、食事だけでなく、日光(紫外線)を浴びることで体内でも作られます。
ただし最近は、
- 日焼け対策をしっかりしている
- 外に出る時間が短い
- 室内で過ごすことが多い
- 高齢になって日光を浴びる機会が減った
といった理由で、年齢に関係なく不足しやすい傾向があります。
こんな方は一度見直してみて
薬剤師として、ビタミンD3を意識してほしいのは次のような方です。
- 骨や関節が気になる
- 転びやすくなった
- 筋力が落ちたと感じる
- 風邪をひきやすいと感じる
- 日中ほとんど屋内で過ごしている
注意
※病気の診断ではなく、栄養状態の目安として考えます。
摂りすぎた場合の注意点
ビタミンD3は脂溶性ビタミンで、体に蓄積されやすい特徴があります。
過剰に摂り続けると、
- 血中カルシウムが高くなる
- 食欲不振
- だるさ
- 便秘
といった不調につながることがあります。「毎日たくさん摂れば良い」というものではありません。
飲み合わせで気をつけたいこと
薬剤師として、以下の点はよくお伝えしています。
カルシウムのサプリを併用している場合
摂りすぎにならないよう、全体量を確認しましょう。
利尿薬(特にサイアザイド系)を使用中の方
カルシウム値が上がりやすくなることがあります。気になる場合は医師・薬剤師に相談してください。
飲むタイミングのおすすめ
ビタミンD3は脂溶性のため、食事と一緒に摂るのがおすすめです。
- 朝食後や昼食後
- 油を含む食事の後
が、吸収の面でも取り入れやすいとされています。
薬剤師からのまとめ
- ビタミンD3は骨だけでなく、体の土台を支える
- 日光不足の現代人は不足しやすい
- 脂溶性なので摂りすぎには注意
- 食事と一緒に、適量を続けることが大切