薬剤師が解説
オメガ3＋植物性たんぱく
「体をつくる材料」と「整える脂」を同時に意識したい人のための組み合わせ
筋肉・血管・体調管理を食事の延長で考える健康のために
「たんぱく質を摂りましょう」「良い脂を選びましょう」と聞くことは多いと思います。
薬剤師の立場から見ると、この2つは別々ではなく、セットで考えると理解しやすい栄養素です。
それが、オメガ3脂肪酸と植物性たんぱくという組み合わせです。
植物性たんぱくは「体をつくる材料」
たんぱく質は、体のあらゆる部分の材料になります。
- 筋肉
- 皮膚
- 内臓
- 免疫に関わる細胞
植物性たんぱくは、
- 胃腸への負担が比較的少ない
- 脂質が控えめ
- 毎日の食事に取り入れやすい
という特徴があり、年齢とともに食事量が減ってきた方にも選ばれやすい素材です。
オメガ3脂肪酸は「体のバランスを整える脂」
オメガ3脂肪酸（EPA・DHA・ALA）は、体に欠かせない必須脂肪酸です。
- 血流
- 炎症のバランス
- 脳や神経の材料
に関わり、体の中で作ることができないため、食事や食品から補う必要があります。
なぜ、この2つを一緒に考えるの？
薬剤師として見ると、次のような役割分担があります。
植物性たんぱく
体を「つくる」材料
オメガ3脂肪酸
体の「環境を整える」脂
材料と環境の両方がそろって、体はうまく働くという考え方です。
そのため、
- 筋力を落としたくない
- 体調を安定させたい
- 食事の質を見直したい
といった方に、生活習慣とあわせて注目される組み合わせです。
こんな生活の方が見直しポイント
薬剤師として話題にするのは、次のような方です。
- 食事量が少ない
- 肉や魚が重く感じる
- 揚げ物や加工食品が多い
- 疲れが抜けにくいと感じる
※病気を治す・改善するという意味ではありません。
摂りすぎた場合の注意点
どちらも食品由来ですが、摂りすぎには注意が必要です。
植物性たんぱく
- お腹の張り
- 便通の変化
オメガ3脂肪酸
- 胃もたれ
- 下痢
- 出血しやすくなる傾向（大量摂取時）
「多く摂れば良い」というものではありません。
飲み合わせ・併用時の注意
薬剤師として必ず確認するポイントです。
- 抗凝固薬・抗血小板薬を使用中の方は、オメガ3の摂取量について必ず相談を
- 腎臓のご病気がある方は、たんぱく質量の確認が必要
食品であっても、体の状態によって調整が必要です。
取り入れ方の考え方
薬剤師としておすすめするのは、次のような考え方です。
- 毎日の食事に少量ずつ
- プロテイン・ナッツ・オイルなどを組み合わせる
- 「補助」として使う
サプリで一気に摂るより、食事の質を整える意識が大切です。
薬剤師からのまとめ
- 植物性たんぱくは体の材料
- オメガ3は体の環境を整える脂
- セットで考えると食事のバランスが見えやすい
- 摂りすぎや併用薬には注意
- 食事の延長として無理なく続ける